5周年記念の朗読会を終えて思うこと
「戦争はいけない」
平出恭司
「朗読の会りんどう」が発足してから、いつかの間にか5年の月日が流れていました。ささやかな人数での出発でしたけれど、その後、若い仲間が次々と参加してくれて、10人ほどの会になりました。すばらしい仲間といっしょに、後期高齢者の私自身も若者ぶって楽しく朗読をしています。
戦争の時代を生きてきた者として、明日を持てない死の恐怖におびえた日々の悲しい体験を語り続けなければいけないと思っています。戦場で死に直面した戦闘員はもちろん、非戦闘員であった老人や女性や子どもたちまで、空襲などにより尊い命を無惨に散らされてしまう、これが戦争です。
戦争が終って、やっと静けさがもどってきたはずなのに、そこに残されたものは「食べ物がない」「着る物がない」中には「住む家も焼かれてしまっている」という悲しい現実でした。空腹をかかえていた日々を思い出します。あまりにも多くの人が生きる権利を奪われた時代でした。
戦争は絶対にあってはいけないと思います。
今、戦争ができる国にしようとする改憲の動きがあること、核の脅威に世界中のどの国よりも強烈にさらされながら今また原発をすすめようとする動きがあることなど、心配の種はつきません。
次の世代…次の次の世代……、未来の日本がおだやかな国であって、そこに生きている人々が温かい心の交流をしあって暮らしてほしいと思います。
そんな願いをこめて、戦争の悲しさを語り、平和の喜びや美しい人間愛の世界を謳い上げるような物語を読み続けたいと思っています。